古酒を堪能

僕にはグルメな友達がいます。その友達と遊ぶときは、食べたいものと金額帯、対象エリアを言えば、すぐにいくつか候補を挙げてくれます。食べログが歩いているようなものです。その友達に「日本酒と魚、5000円、神田近辺」と伝えたところ、神田にある美味しい日本酒のお店に連れて行ってもらいました。写真から推測するに、最初は隠れ家的なこじんまりとしたお店だと思っていたのですが、店に入ってみると、店内は30人ほどのお客さんがびっしり。立ち飲みまでありました。立ち飲みで今にもその場に座り込みそうな酔っ払いを横目に見ながら着席して、まずは日本酒のメニューをチェック。日本酒はメニュー表にラインナップがなく、そのときにある日本酒から選んでもらうスタンスでした。冷蔵庫にびっしり並ぶ日本酒を見て、いくつか知っているものがあったので、まずは間違いのない自分が知っている銘柄で乾杯。日本酒を味わいながら、このあといただく肴をチェックしようとして、お通しに驚嘆しました。なんとお通しが1650円もするのです。とんだぼったくりかと思い、友人を一瞥しましたが、とりあえず見てみろとのこと。ほどほどにして、その1650円のお通しが届いたのですが、そのお通しにまた驚きました。驚きのボリュームの刺し盛りだったのです。

トロや赤身、たこ、甘エビ、ホタテなどもついていて、満足度の高いお通しでした。300円の枝豆のお通しよりもこちらの方がいいかもしれません。日本酒もぐびぐび進みます。

話も盛り上がり、場も温まってきたところでずっと気になっていた古酒を選びました。「醸醸」というお酒で、1991年ものです。酒を酒で仕込む貴醸酒の一種なのですが、注いでもらって色に驚きました。

この醤油のような色をした液体が日本酒なのです。最初は目を疑いましたが、よくよく考えると30年以上も仕込まれていたのですから、この色になるのも納得です。一口飲んでみると、ビターなチョコ、カカオのようなリッチな甘さも感じるお酒でした。珍酒として嗜むには、最高の銘柄でした。ただ、もう今あるものだけで再販はないので、次飲めるのはいつになるかは分かりません…。

店員さん達の雰囲気や知識量も素晴らしく、とても楽しく、美味しいお店でした。そんな最高のお店は、神田駅から歩いて5分もかからないところにある、「居酒屋ちぇけ」。神田周辺で日本酒が飲みたいときはぜひ。予約は必要そうです。

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